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経営資源引継ぎ補助金を活用したM&A事例について_八木 敦史

2021年1月28日に成立した「令和2年度第3次補正予算」(経済産業省)によると、2021年度はM&A・事業承継の実施、及び、M&A後・事業承継後の新たな取り組みを支援する補助金制度が予定されています。2020年度のM&A補助金制度と弊社の支援事例をもとに、補助金制度のポイントを解説します。

1.2020年M&A補助金制度「経営資源引継ぎ補助金」とは

経営資源引継ぎ補助金とは、中小企業者の事業再編・事業統合等を支援するための補助金です。FA会社の仲介手数料、デューデリジェンス費用、企業概要書作成費用等の専門家費用を対象とし、費用の目的・内容により上限100万円~650万円の補助金を受けることができます。

詳しくは当社のコラムページや経営資源引継ぎ補助金のホームページをご覧ください。

 

経営資源引継ぎ補助金事務局「経営資源引継ぎ補助金のご案内」より抜粋

 

経営資源引継ぎ補助金事務局「経営資源引継ぎ補助金のご案内」より抜粋

 

2.経営資源引継ぎ補助金の事例紹介

経営資源引継ぎ補助金を活用して成約に結び付いた私のM&A事例を紹介いたします。売り手企業、買い手企業ともに医療福祉事業を経営している売上数千万円の会社です。

売り手企業の経営者と、買い手企業の経営者は弊社が関与する前から面識があり、事業の情報交換をしていたときに、共同経営の話になったことがきっかけで、買い手企業の経営者から弊社に問い合わせがありました。

  • どのような体制にするのが望ましいのか。
  • 売り手企業は事業面・財務面に課題を抱えているためどのようにしたら良いか。
  • 関係を壊さずに公正に話し合いを進めるにはどのようにしたら良いか。
  • M&Aの費用はどのくらいかかるのか。

それぞれの質問に対するアドバイスと、経営資源引継ぎ補助金の提案をさせていただき、補助金申請とM&Aの両方を支援させていただくことになりました。

補助金制度は、2020年7月公募、8月申込締切、9月審査結果通知、10月専門家選定、2021年1月実績報告、3月補助金支給という全体のスケジュールが決まっており、M&Aの調整はそれに合わせて進めていく必要がありました。

一般的にM&Aの手続き期間は6か月程度を要しますので、10月~1月の3か月強で成約に結び付けるのは難しいケースも多かったのではないかと思います。本件は補助金申請前から相談を受けていたので、早い時期から準備を進めることができ、1月のM&A実行に間に合わせることができました。

 

 

経営資源引継ぎ補助金事務局「経営資源引継ぎ補助金のご案内」より抜粋

 

本事例では、売り手企業はすべての事業を会社分割の方法で買い手企業に承継し、法人格を清算するスキームを選択しました。会社分割を選択した理由は、買い手企業が簿外債務リスクを回避すること、2法人の運営主体・事務所を集約することによって固定費を削減し事業収支を黒字化することです。これによって、買い手は、売り手企業がかかえる事業面・財務面の課題解消に前向きな見通しをもってM&Aを決断することができました。事業規模に比べて、M&Aの手続き費用の負担は大きいものだったので、補助金によって費用負担を3分の1に抑えられたこともM&Aを進める一因となりました。本事例は経営資源引継ぎ補助金があったからこそ実現したものと言えます。

 

3.経営資源引継ぎ補助金を活用しての所感

補助金申請の支援にあたり、公募要領の確認、補助金事務局への問合せ、申請書類の記入方法・提出方法のアドバイスなどを細かく丁寧に行いました。お二人の経営者が目指している方向性を実現するために、費用面でのご負担も軽減できるようにしたいと考えていたからです。公募要領その他の案内資料は、情報量が多く、M&A特有の専門的な用語が使われているため、初めてM&Aに取り組む方にとっては難易度が高く、相当な時間と手間を要するのではないかと感じました。

申請者がつまずきやすいポイントは下記のとおりです。

  1. 40ページ以上の公募要領などの関係資料を読み、専門用語と内容を理解し、対応すべき点を抽出すること
  2. 審査を通過するためのポイントをおさえた申請書、必要書類を準備すること
  3. 申請書、進捗報告書、実績報告書などの各種提出書類に正しく記入し、必要な書類をもれなく準備、提出すること
  4. M&Aの進捗に応じて、申請内容を変更する手続きを行うこと
  5. 補助金事務局からの問合せ、追加対応の連絡に適切に対応すること

M&Aに取り組む経営者の皆様が、事業に集中できるように、M&Aと補助金申請については、今後ともアドバイザーとして全面的に支援してまいりたいと思います。

 

4.2021年のM&A補助金制度「事業承継・引継ぎ補助金」

経営資源引継ぎ補助金に続く補助金制度として、2021年は「事業承継・引継ぎ補助金」が実施される見込みです。経営資源引継ぎ補助金と同じく、M&Aの専門家費用の3分の2の補助を受けられます。注目すべきは、補助上限額が200万円から400万円に増額となっている点です。制度の詳しい内容はまだ発表されていません。発表されましたら、弊社ホームページでもご案内させていただきます。

 

経済産業省「令和2年度第3次補正予算案の事業概要 (PR資料) 令和2年12⽉」より抜粋。弊社にて赤枠追記

 

5.終わりに

M&A補助金制度は、売り手様、買い手様のどちらにとっても活用できる制度です。弊社は、補助金申請とM&Aをセットで支援させていただいております。まずは無料相談をご利用ください。

 

 

かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社

シニアマネージャー

八木 敦史 Atsushi Yagi

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