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M&A仲介業者はどのような会社があるのか_岡村 新太

こんにちは。かえでFA岡村です。今日は、M&Aの仲介業者にはどのような種類があるのか、代表的な仲介業者は何処かを私なりに紹介したいと思います。この手の情報ですと、誰が書いたのか分からないまとめサイトが複数ございますし、この業界の中にいる小職が仲介業者を選定するのは不公平ではないかと、お感じになる方もいらっしゃるかと存じます。ただ、いわゆるまとめサイトはご存知の通り恣意的なものですし、小職の知見からM&A仲介業者をまとめさせていただいても問題はないものと思いますので、今回整理してみました。

1.M&A仲介業者同士の違いはどういうものがあるのか

M&Aの仲介業者の違いというと、分類としては、

  • 上場系なのかどうか
  • 再生型等複数のソリューションがあるのか
  • 料金体系はどのようになっているのか

こういう分類があり得ると思います。

(1)上場系と非上場系のM&A仲介業者の違い

まず、上場系といえばですが、代表的なM&A仲介業者は3社で、日本M&Aセンター社、ストライク社、M&Aキャピタルパートナーズ社の3社がございます。直近ですと、名南M&A社、そして年内に上場予定でオンデック社の計5社がいわゆるM&Aを専業としている仲介業者で、上場系の仲介業者であると思います。この分類の事業者で特に前述の3社に言えるのが、M&Aのプロセスを仕組化し、組織力を武器に拡大してきた事業者であるということです。製造業で言えば仕入担当、製造部門、営業はそれぞれ別の方がなされるように、M&Aのプロセスにおける業務の仕組を営業担当者やバックオフィスと分けることで、組織内での最適化を行っていると思いますから、安心してお任せしたい方にとっては、やはり大手のブランド力、組織力は捨てがたいでしょう。

では、上場系でないM&A仲介業者の特徴ってなんぞやというと、いろんな意見があると思うのですが、やはり小職は担当者が一気通貫で案件に携わることに尽きると思います。少なくとも当社は、案件の始まりのほとんどが売主様からの依頼から始まりますから、必然的に売却・買収のプロセス全てに関わることになります。非上場のM&A専門の仲介業者は、このプロセスは同じだと思いますから、ここに特徴がございます。担当者が一気通貫で案件に取り組むのは、非効率といえば非効率なのは間違いないのですが、この業界を広義のコンサルティング業界と定義するならば、ノウハウは会社ではなく、人に依拠します。従って、小ぶりな会社でも意外とメンバーは粒揃いである会社も多数ございます。どこが優れているM&A仲介会社なのかは、実際皆様の目で確認していただきたいのですが、少なくとも古くから生き残っている会社は、その傾向が強いと思いますので、参考にしてみてください。

(2)複数のソリューションを持っているかどうか

M&A仲介といっても、事業承継系のM&Aに携わるのか再生系のM&Aに携わるのか、またクロスボーダーM&Aも実行できるのか、どのようなサービスができるのかでも分類できると思います。当然、大手は再生系、クロスボーダー系も対応可能だと思いますが、非上場系のM&A仲介業者の中には、再生系を専門とする事業者だったり、クロスボーダーを専門とする事業者だったりします。再生系に強い事業者ですと、銀行や支援協との関係が深いでしょうし、クロスボーダー系ですと国際的な仕組に加入しているケースが大半です。

当社は再生系M&Aのノウハウも多数ございますし、一部のメンバーはクロスボーダー系M&Aの実績を積んでいますが、何処が得意なのかによって、相談すべき会社は異なります。ご相談をされる場合は、必ずどういう点が得意なのかは確認するようにしましょう。尚、何処のM&A仲介業者に依頼するのかは、最終的にはその会社の担当者で決めていただきたいとは思うのですが、その点は小職の過去のコラムをご一読ください。

補足ですが、再生系M&Aもクロスボーダー系M&Aも完全成功報酬制で行う仲介業者/FA業者共に、小職が知りうる限りございません。

(3)料金体系はどのようになっているのか

料金体系によっても、分類ができると思います。具体的には、手続きの中で料金が発生する体系なのか、完全成功報酬制なのかです。近年だと、完全成功報酬制の事業者も増えてきましたが、買い手に請求する最低額と売り手へ請求する最低額や料率が異なることもございます。また、大手はその傾向が強いとは思うのですが、そもそも完全成功報酬制でない仲介業者も多数ございます。

■報酬体系のポイント

  • 着手金の要否

主に売り手に必要な費用となると思いますが、買い手においても交渉フェーズによって費用を請求されるケースがあるようです。

  • 中間金の要否

売主・買主双方の間でM&Aにおいて一定の合意が図れると基本合意書と呼ばれる書類を締結することが一般的なのですが、この際にも費用が発生することがあります。費用が発生する場合は最終取引金額の10%程度を目安に請求されるケースが多いようです。

  • 月額報酬の要否

着手金以外に、月額報酬としていくらといったケースもあります。

  • 料率の違い

レーマン方式を採用といっても、掛け目が株式価値なのか、総資産なのかによって、成功報酬が大きく変動しますので、注意が必要です。

完全成功報酬制を謳う業者であれば、着手金や中間金等の費用が発生することはありませんが、M&A仲介業者を選定する場合は、是非確認してみてください。

個人的には、着手金が必要だから、完全成功報酬制だから等、支払方法の違いによって、M&Aの成立確率が変わることはないと思っています。結局は担当者の熱意だったり、その時のタイミング次第で良いご縁となるかが変わりますので、どのM&A仲介業者が良いかということは一概には言えません。当社に限っていうと、完全成功報酬制を採用しているので、そもそも受託前に売却が難しそう、希望譲渡価格が高すぎる等の問題点がある場合は率直に申し上げますから、やっぱりM&Aが成功するかどうかは、その担当者の力量が凄く大きいように思いますので、料金体系だけで選ぶのではなくて、あくまで担当者をよく見るようにしましょう。

また、料金体系に絡む論点として、良く聞かれるのがFAと仲介の違いについてでして、ここについては、小職の見解となりますが少し触れておきたいと思います。

(4)仲介とFAの違いと小職の見解

FAというと、ファイナンシャルアドバイザーとして、当事者の一方につき助言行為を行うものと理解しています。一方、仲介の場合は双方のアドバイザーとして動きますという仕切りかと思います。M&Aの取引金額が例えば数百億円等一定水準以上の規模で上場会社なのであれば、株主への説明責任などの観点からFAを買い手、売り手双方に選定し話を進めていくのが一般的だと思いますが、個人的には、中堅・中小企業のそれにおいては、取引の形態をとやかく言っても仕方がなく、きちんとM&Aを実行されるような方式を取るべきではと感じています。

よくM&A仲介業者は双方代理だから、利益相反で違反だと頭ごなしに言われることがございますが、小職の見解としては、あくまでもM&A仲介業者の締結する契約は業務委託契約になりますから、代理人契約ではありません。勿論、意思決定にあたり事実上代理人のような行為があったのだと指摘されないことはないと思うのですが、それこそ個別の事案によるでしょう。

私どもとしては、完全成功報酬制を採用しM&Aのお手伝いをさせていただいているので、M&Aの成功可否に係るリスクを当社が全て取ったうえで、アドバイザー業務を行っている手前、上述の利益相反という批判に対しては、返答に困る部分がございます。何より、FAを起用するのであれば、着手金や月額報酬が一定程度必要ですし、一般的に高額であるケースが多いと思います。仲介=悪といった頭ごなしの発想に陥るのではなく、費用面にも光をきちんと当てていただき、議論をしていただきたいです。

何より申し上げたいのは、M&Aに携わる『プロ』であれば、そのプロジェクトをきちんと成立させることに注力するはずであり、それぞれの事情に適した方法でM&Aを進めていくと思います。そもそもM&Aは、そんなに簡単には成立しません。最終契約のドラフトを作っていて破談したこともございます。小職としては、M&Aを検討するにあたり、仲介だからFAだからといった観点や成功報酬制などの料金体系だけで業者を選定するのではなく、担当者がきちんと実行まで行ってくれそうなのか、相性が合いそうなのか等、最終的には熱意や人柄で選ばれた方が納得のいく結果が得やすいと思います。

2.代表的なM&A仲介業者にはどのような先があるのか

では、代表的なM&A仲介業者を見ていきましょう。

■上場系のM&A仲介業者一覧

※MACPはM&Aキャピタルパートナーズ社の略称
※各種情報は対象会社HP、IRを参照

このように、表にしてみると改めて日本M&Aセンター社の圧倒的な実績が目立ちます。
手数料体系が記載されている仲介業者とそうでないところもありますし、手数料率についても掛け目がどの基準なのかは、きちんと確認してから依頼する必要があるでしょう。また、お分かりの通り、完全成功報酬制という成功報酬体系の仲介業者はありません。個人的には感じたのは、名南M&A社が設立して6年程で成約実績が200件程あるのは、大手仲介業者のターゲット層ではないところがあって、そこをうまくビジネスにつなげることができたのかもしれません。まだまだ、事業承継型M&Aは盛り上がりを見せそうです。

続いて、非上場系のM&A仲介業者を見ていきましょう。

■非上場系のM&A仲介業者

※会社情報は各社HP、開示資料を参照

HP上にきちんと料金体系を記載している仲介業者が多いので、良心的といえるでしょう。このM&A仲介業者郡にしたのは理由がございまして、HPにきちんと報酬体系を載せていて、成約件数等もHPに記載している仲介業者にしました。実績や報酬体系を載せない仲介業者は、実際のところ会わなければ分からないということになってしまいますが、掲載させていただいた仲介業者は自社についてや報酬体系についてきちんと説明されているので、選ぶ基準になりやすいと思います。

ちなみに、インテグループ社の代表者様はかつて当社の前身時代のM&A会社にご参画いただいたこともございますし、クラリスキャピタル社の代表者様もかえでFA出身であることもあって、当社は完全成功報酬制の先駆けであることを自負しております。近年ではfundbook社、M&A総合研究所社のようにデジタルをうまく活用してM&A仲介に取り組む仲介業者も増え、設立わずかながらその成約件数には驚かされますが、参考になる点も多く、個人的には注目しています。

3.終わりに

いかがでしたでしょうか?M&A仲介業者といっても、成功報酬制なのか、そうでないのか等、いろんな切り口で分類でき、多数の仲介業者がひしめき合っていることがお判りいただけたかと存じます。企業のカルチャーも異なりますし、手数料の体系も異なりますので、このコラムを是非参考にしてみてください。

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