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M&Aにおけるオーナーへの寄り添い方2_佐野泰久

M&Aを成功に導くために必要な心構えについて、当社マネージャー、佐野泰久が日頃感じている思いの丈を熱く語るコラムです。オーナーの心の機微に寄り添う佐野泰久の全5回に渡るコラムをお楽しみください。

オーナーを尊敬する

前項で述べたように、M&Aを成功に導くには、オーナーの心に寄り添うことが不可欠である。オーナーの心に寄り添うにあたり、アドバイザーが第一に備えるべき心構えは、「事業のリスクを一手に追っている人間」への根本的な尊敬を忘れない点である。

日本では、例外も増えてはいるが、事業の開始にあたって自己資金を投入することや、銀行借り入れにあたって連帯保証を差し入れることが通常であり、企業におけるオーナーは、自身のリスクすべてをかけて事業を運営していることが多い。このようなオーナー社長がいるからこそ、資本主義経済が継続・発展するには必須である企業の新陳代謝、新たなサービスの提供がなされるのであり、経済発展においてオーナー社長が果たしている役割は、きわめて本質的なものである。

「起業をしよう」という野心家がいなければ、資本主義経済は成り立たないし、M&Aアドバイザーをふくめ、金融機関・弁護士・コンサルタント・会計士等のすべての専門家が提供するto Bサービスは、オーナーの存在が無くてはなりたたないものである。

したがって、我々の提供しているサービス・商売自体がオーナー社長の存在を前提としおり、オーナー社長はそれだけで尊敬に値するという心構えが肝要である。たしかにオーナー社長は一般的な特徴として、気まぐれであり(朝礼暮改は日常茶飯事である)、アドバイザー等の各種専門家に、報酬面・提供サービス内容や自身の望む結果について、無理筋ともいえる要求をつきつける方も多くいる。しかし、それは日々孤独な業務遂行や意思決定に立ちむかっており、我々アドバイザーらへの要求が高くっているから起こるのであり、決して「あの社長は何もわかってない」等という態度を取ってはならないし、言ってもならない。

筆者がこのようなことを語気強く念押すのは、ある種の専門家(特に士業の方に多い)に自身が行う法律的な手続きや、専門知識について、オーナー社長の理解がないことを、専門家内の打合せの場などである種陰口的にいう者が、多くいるからである。そのような心構えは、オーナー社長との会話の際などに必ず態度にでるものであるし、M&Aにおける主役であるオーナー社長の尊厳を傷つけるものである。

また、M&Aというは原則としてチームで実施するものであるため、オーナーの心理的変化というのは、案件遂行におけるチームの雰囲気に必ず伝播する。チームで仕事を進めるのが業界の特性上義務付けられているこの業界で仕事をするであれば、いたずらにギスギスした雰囲気でなく、相互に率直に意見を言える開かれた雰囲気で仕事を進めたいものである。

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