今回は、弊社がFAとして支援させていただいた丸三機械建設様の株式譲受について、M&Aの成約に至るまでの経緯や当時の心境などについて、お話を伺いました。
まずは皆様にお聞きしている質問なのですが、貴社の沿革について教えてください。
当社は日本鋼管株式会社川崎製鉄所(現JFEスチール株式会社)の戦災復旧工事を基盤として1950年に設立されました。工場や製造現場の動力を担うためのボイラーやタービンといった動力・エネルギー機械の据付、保守メンテナンスを専門とするプラントメンテナンス業者です。
設立から74年、電力・石油化学・製紙奈園各業界における大手メーカーや電力会社のパートナーとして日本の産業やインフラを支えてきました。
今では貴社はプラントメンテナンス業界において欠かせない立ち位置になっておられますが、事業拡大の過程で苦労されたことはありますか?
平成6年~7年にかけて会社のお家騒動が勃発、会社分裂の危機に陥り蓄えた自己資本を食いつぶし経営の窮地に立たされたことです。
また、当社では各出先ごとの独立採算制を採っているのですが、平成の終わり頃まで各種計数管理が甘く業績が伸び悩んでいたため、令和初旬頃から各出先ごとの中期経営計画の策定や粗利目標など諸係数への関心度の醸成を図ってきたことも苦労してきたことです。
M&Aでの事業拡大の検討を始めた背景を教えてください。
少子化の進展、進学率の向上、働き方改革の浸透などにより、新たな人材の確保は喫緊の課題でした。建設業界は勿論、弊社の属するプラントメンテナンス業界においても在籍社員の高齢化が進み、後身の確保が極めて難しい状況が続いています。
規模やマーケットの拡大・検討において、あらゆる手段を排除しない方針を取ってきましたが、M&Aにおける社員・マーケット・業容の拡大について、当社の中長期事業計画の中で検討を進めていました。
M&Aの検討を進める上で優先したことを教えてください。
M&A後のPMIにおいて異業種は対象から外し、同業界且つ業容が当社よりも小ぶりな先を対象として検討を進めてきました。前述の通り、当メンテナンス業界においても高齢化、後継者不在を主な理由として譲渡会社は徐々に増加してきていると判断、譲渡候補先の選定には時間を要しました。
M&Aが完了して、今のご感想を教えてください。
諸事情により案件進捗が想定よりも長期化しましたが、本件M&Aが成立して一安心しています。また、当初想定していた以上にPMIは大変ですが、今後のシナジー効果創出のために日々の業務に取り掛かっています。
かえでファイナンシャルアドバイザリーを選んでいただいた理由
当社の希望していた案件のご紹介いただいたことがきっかけですが、ご担当頂いた服部さんの真摯な対応と人柄、そして一貫した粘り強い対応できめ細やかにフォローをしていただいたことで、本件成約までたどり着けたと思います。誠に有難うございました。

かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社
アソシエイト
2級ファイナンシャル・プラニング技能士
服部 強 Tsuyoshi Hattori
大和証券にて資産運用コンサルタントとしてリテール営業に従事。
主に法人営業に注力しており、新規の学校法人を合計3件開拓することに成功し、社長賞を受賞。また、中小企業の承継支援にも積極的に取り組む。
2021年にかえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社に入社し、M&A・事業承継アドバイザリー業務を担当。
北海道旭川市出身。