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「従業員の生活と社会インフラを守るためのM&A」

業種
建設・内装・設備工事
スキーム
株式譲渡
譲渡会社
小笠原産業株式会社小笠原 守男
譲受会社
信幸プロテック株式会社村松 守

 今回は、小笠原産業株式会社(青森県十和田市)を信幸プロテック株式会社(岩手県紫波郡矢巾町)に株式譲渡された小笠原守男さまにM&Aに至るこれまでの経緯や当時の心境などについて、お話を伺いました。

まずは皆様にお聞きしている質問なのですが、貴社の沿革について教えてください。

 私の父が創業した小笠原建設工業が1981年に改名・法人化され、当社はスタートしましたが、当初は建築工事を主な業務としていました。

その後、私の会社員時代の勤務先である大手電機メーカーで空調機の営業を担当していたことの縁で、そのメーカーからの依頼により業務用空調機のメンテナンスサービスを開始し、約40年にわたりこの分野での経験を積んできました。

現在、本社を十和田市に、青森事務所を青森市に、盛岡事務所を盛岡市に構え、青森県、岩手県、秋田県の北東北三県で業務用空調機のメンテナンスサービスおよび空調設備工事を主な業務としています。

今ではその大手電機メーカーの取引業者の中でも、欠かせない立ち位置になっておられますが、事業拡大の過程で苦労されたことはありますか?

 当社の従業員から求職者の紹介が多く、比較的採用は困らなかったのですが、ほとんどが業界未経験者でしたので、スキルアップも含めた従業員教育には苦労しました。今では、ベテラン従業員を中心に、誇れる技術を身につけています。

 また、業務用空調機のメンテナンスサービスを開始した当初、その大手電機メーカーの県内シェアがまだ低かったため、建築会社から図面入手して設計事務所に提案し、切り換えてもらうことが大変でした。自社でメンテナンスまで対応できる強みを活かすことで、県内シェアを大幅に向上させていくことができたと思っています。

M&Aの検討を始めた背景を教えてください。

私自身の高齢化(M&A実行時は78歳)から事業承継の検討を開始しましたが、息子は大手メーカーに勤務しており、事業承継の意思はありませんでした。従業員からの登用も考えましたが、社会情勢の変化など踏まえると、任せるのは荷が重いと判断し、M&Aの検討に至った経緯です。

M&Aの検討を進める上で優先したことを教えてください。

第一に従業員の生活を守ることを優先しました。長年に渡り、私に付いてきてくれた従業員には感謝しかなく、これからも不安なく働き続けられる環境を提供したいと考えておりました。

次に業務用空調機のメンテナンス事業を継続することを優先しました。空調機は社会インフラの一つです。特に、当社の営業エリアである北東北の冬は強烈です。当社はその大手電機メーカーの県内唯一の指定店でしたので、当社のメンテナンス事業が停止すると社会インフラに支障が出てしまうと考えておりました。

信幸プロテック様とのM&Aを決めた理由を教えてください。

担当の三浦さんからは他にも当社に興味を持つ会社を複数社ご紹介いただきましたが、最終的には、信幸プロテック様とのM&Aを決断しました。実は、信幸プロテック様は、当社と同じく大手電機メーカーの取引業者で兼ねてから接点があり、事業内容は勿論のこと、社風もなんとなく分かっておりました。

社員の安心・納得や当社が永続するための事業シナジーが期待できる相手であり、トップ面談などを通じて、村松社長の真摯さも伝わってきたため、当社を託すのは信幸プロテック様しかいないと確信しました。

M&Aの検討を進める上で大変だったことを教えてください。

まず、M&Aを検討していることの秘密を保持することが大変でした。会食の場などで話をしてしまいそうになることもあり、堪えることもありました。

また、資料の準備も大変でした。事務担当の従業員の協力もあり、なんとかスムーズに対応できていたと思います。

M&Aが完了して、今のご感想を教えてください。

まず、M&Aが成立してほっとしています。村松新社長は、当社を良くしようと頑張っています。

一方、M&A前と比較して圧倒的に電話が鳴る回数が減り、寂しさもあります。たまに電話が鳴るのは、ゴルフのお誘いぐらいです。

これからはさらに経営が安定してくれることを願い、信幸プロテックさんが当社をM&Aしてよかったと感じてもらえるように、最後まで引継ぎなどを全うしたいと思います。

かえでファイナンシャルアドバイザリーを選んでいただいた理由

まず、初期的に業者を絞る際に、完全成功報酬制であることはポイントになりました。

かえでFAさんとの契約前に、担当の三浦さんと会食に行きましたが、お互いの人となりを知ることができたことが良かったです。真面目で誠実な方で、相談や要望をしっかり聞いた上で提案してくれてました。

契約面から補助金の申請まで幅広くサポートいただき、本当に感謝しております。

かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社
マネージャー
中小企業診断士(経済産業大臣登録)
三浦 正裕 Masahiro Miura

静岡大学教育学部卒。静岡県磐田市出身。
鈴与グループにてエネルギーのソリューション営業などに従事し、常にトップクラスの実績を収め、新規開拓実績全社1位など多数受賞。
その後、日本M&Aセンターにて、会計事務所や金融機関などとの提携を推進し、主にセルサイドのM&Aアドバイザーとして、M&A成約を支援。
現在、かえでファイナンシャルアドバイザリーにて、事業承継・M&Aアドバイザリー業務を担当。
建設、物流、ソフトウェア、調剤薬局、食品など、幅広い業界におけるM&A成約実績を有する。

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