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「出会って1秒で決めたM&A」

業種
IT/情報通信
スキーム
株式譲渡
譲渡会社
スタイル・アーキテクト株式会社代表取締役綱島 直輝
譲受会社
株式会社サイバー・バズ小川 誠

左:綱島代表、右:小川氏

まずは皆様にお聞きしている質問なのですが、どういった経緯で会社を立ち上げられたのか、創業のきっかけを教えてください。(かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社 岡村 新太、以下省略)

私は中学生の頃から起業して「社長」になるということを決めていたので、1回目の起業は大学を卒業した直後でした。その時にはSEO(検索エンジン最適化)のweb集客手法の費用対効果が非常に高いと実感していまして、将来Googleがインターネットサービスで世の中を変えていくぞという確信をしていたところがあります。1998年頃にGoogleの存在を知って、感動してHPの研究を始めました。とは言え、当時は大学生のお遊びでそれで食べていけるとは思ってもいませんでした。

その後2006年に2回目の起業をし、それが弊社スタイル・アーキテクト株式会社になります。当時SEOだけでなくリスティング広告など広告技術を経営に取り入れてもらうコンサル手法を研究することで、より効率的な事業を創出したいという思いで立ち上げました。

(スタイル・アーキテクト株式会社 代表取締役 綱島氏、以下省略)

2回目の起業の時は全く別の事業をしていらっしゃったと伺いました。

元々中古釣り具の買取業をしていました。検索エンジンで「中古 釣り具」「中古 釣り具 買取」と入力すると1位に表示されるようSEO施策をサイトに施していました。SEOができるということで売り込みましたが、学生上がりでビジネスは素人だったので、なかなか厳しく成り立ちませんでした。当時はSEOという言葉自体無かったので、『Googleの引っかけ方』とか『検索エンジンにガンガンヒットさせる方法』という表現を用いていました。

その後、1年後位にSEO技術を買われ、共同経営者としてある会社の経営陣として入社しました。

そこでご自身のノウハウを高めたうえで2006年に創業されたのですね。事業ではどのようなことで苦労されましたか。

2008年9月に法人設立したのですが、法人登記のお祝いをしている最中にリーマンショックが起こり、取引先が民事再生することが判明しました。創業していきなり億単位の負債を抱えることになり、その時が一番大変でした。

また、3年来のネット通販事業ではなかなか利益が出なくて、2011年3月11日に資金調達に失敗して、いよいよ事業を閉じる決断を迫られた局面で、あの東日本大震災が起きました。その時扱っていた商材が防災グッズだったということもあり、当社にとってはネット通販事業の転機になりました。ところが、売上が伸びれば伸びる程、支払いの方が先行し続け、自腹を切りながら必死でキャッシュフローを回していました。

そして、キャッシュフローが改善した頃、アベノミクスによる景気回復期に入り、見積り相談数が増える一方でIT人材不足に悩み、マーケコンサルティング事業の新規受注を受けられない状況が現在も続いています。

創業以来、マーケコンサルティング事業は比較的順調でしたが、ネット通販事業が軌道に乗るまでは苦労しました。

当時ベンチャー・キャピタルからもオファーがあったと伺いました。

はい。ただ過大な評価で本質的でなく「違う」と思ったのでお断りしました。確かに防災グッズが売れている事象は起きていましたが、その事象を分解していくとその先に地震があるので、もっと当社の事業の本質的な部分を見て投資していただきたいと思い、結局お断りしました。今振り返ってもあの時の判断は正しかったと思っています。

御社にはSEOとECの2つの軸がありますが、どちらも一緒に伸ばしていこうとしてこられたのでしょうか。

はい。SEOは私ができる分野ですが、ECはできる人材に任せて私は殆どタッチしていません。ECは人を信頼しお願いして成り立っている分野です。今後も両軸で伸ばしていきたいと考えています。

それまでの流れからM&Aを選択肢の一つとして検討が始まったのだと思いますが、その辺りを詳しく教えてください。

2018年にEC事業では食品事業に進出し始めていました。一方、マーケコンサルティング事業では1社から大きな受注を請け負い、年々増加の傾向にあって80%を超えていました。ありがたいお話ではありますが、一社に依存をする事業ポートフォリオはリスクを伴いますので、M&Aを含め資金調達等を検討することになりました。

結局、この問題は社員の力もあって自助努力で解消することができたのですが、それを機にM&A経営によって会社の成長スピードを促進する方向へ舵を切れないか、検討を始めました。

かえでさんには初めて2019年にお問合せをしました。当時、EU圏でcookieの扱い方が厳しくなった年で、今までのSEO集客ができなくなり、確立したマーケティング手法を使えなくなる可能性が出てきました。それで、ただの資金調達ではなく、M&AによりSNSの知見を持っている会社を探す方向に決めました。恐らくSEOとSNSで一緒のサービスができる会社というのは無いので、私が第一号になりたいと考えました。

2019年の春から秋口にかけて、私たち2人で色々な会社を訪問しましたね。あの時はマーケコンサルティング事業だけを買いたいという買い手候補が非常に多かったですね。EC事業の高い評価を得ることができませんでしたが、その時のご自身のお考えとのギャップなどはありましたか。

ありましたね。EC事業の収益性しか見ていない会社が多くて、「広告費用0円」の部分に着目して理解してくれる会社が無いジレンマでした。広告費用を入れた場合のシミュレーションを求めていくと、かなり事業が発展できる可能性があったので、理解してもらうことができず大変悔しい思いをしました。

当時はもちろん知る所では無かったのですが、コロナが転機になってネット通販事業が大きく見直されることになりました。岡村さんと一緒に沢山の会社を回った経験が懐かしいです。

当社と出会った経緯は元々お知り合いから紹介があったということでしたね。

かえでさんに会う前に、既に大手のM&A仲介会社とは一通り面談を終えていました。ところが、創業期からずっとお付き合いのある方に商談をしていたところ、「佐武社長がいいよ」と推薦していただきました。佐武社長はもの凄くフットワークが軽い方で、推薦してもらった直後に、すぐ会いに来てくれたので、そのスピード感がとても印象に残りました。まず大手さんとのフットワークの差を感じて、かえでさんに任せてみようと思いました。

その後、岡村さんに担当していただいて、岡村さんは岡村さんでECやログの解析などを勉強したりウェブ解析士の資格を取ったり、一生懸命私たちのビジネスを理解しようとする姿勢が印象的でした。まだM&Aもしていないのに、業務提携のお話や案件の相談などいただいて、岡村さんとやり取りするのが楽しかったです。

M&Aを進めるうえで意識したことはどんなことですか。

そうですね。運転資金に苦労した経験がありましたので、特に現状維持ではなく新しいことにチャレンジできる自由に使える資金を潤沢に備えたお相手を探していました。

それから、先ほどもお話ししたcookieが使えなくなることは私たちの商売では凄い転換期なのです。少し話が脱線しますが、以前、早稲田大学のインターン生が「草加せんべい+草加の地方創生話」と宿代を交換するスーパーカブの旅(そうカブ)を実行支援する機会がありまして、その時にSNSの拡散の力を実感していたので、M&AするうえでSNSを視野に入れて会社を探しました。

あとは、デジタル人材の採用が厳しいので、採用ノウハウのある会社も意識して探しました。

最終的にサイバー・バズさんとのM&Aを決めた理由は何ですか。

いくつも候補先はあったのですが、まず資金不足で苦労したので、キャッシュリッチだったこと、それからSNSマーケティングでは国内でも最大の会社なので、SNS周りも非常に興味を魅かれたところです。最終的には高村社長など、経営人の人柄の好さです。伝わるかどうか分かりませんが、経営者特有の匂いと言うのか、出会って1秒で決めていました。私はドアを開ける瞬間を大事にしていまして、ドアを開けて高村社長が入ってきた瞬間に「この人に託してみよう」と決めました。後から創業年月や趣味・生い立ちなど共通していることが沢山あることが分かりましたが、やはり最初の勘は間違っていなかったと確信しました。

M&Aをする中で難しかったことはどんなことですか

約3年間とお相手を探す期間が長かったことと、一方でネット広告事業は変化が速く2022年の年末までにマーケティング手法を変える必要性があったので、焦る気持ちと時間との調整が難しかったです。

それから、依頼された資料を作るのが大変でした。専業でM&Aだけを実行すれば良いわけではなく、事業が伸びている環境下で社長として日常の業務をこなしながら、プラスαで資料を作成することがきつかったです。

そうですね。私たちが資料作りをお手伝いするにしても、ベースの資料を集めたりオーナー様にしか作成できない資料もありますので、皆様そこは大変だと仰いますし、私が少しでもお力になりたいことでもあります。

最後の質問になりますが、いまM&Aを終えて思っていることを教えてください。

まずは資金繰りの不安が解消したので、社内でも新しいことにチャレンジできることが各人のやる気に繋がっています。クロージングしてまだ1か月たっていないですが、GMVが140%近くまで増加していますので、やる気・元気の重要性を改めて再確認しました。

あとは、コンサル案件で新規の受注をいただいていますが、これまでは広告のプランニングまでが当社のサービスだったのですが、今はSNSサービスや広告の運用代行など、実作業の部分もグループ内で全てできるようになったのでお客様も安心してくれるのではないかと思っています。

ここからは少し営業になりますが、事業承継を経験したオーナーとして、かえでさんのクライアントでM&A経営に挑戦してみたい方や事業承継を検討している方の話を聞いたり一緒に考えたりネットマーケティングなど、かえでさんと一緒に悩みの解決やお手伝いができるのではないかと考えています。ですから、M&Aを終えてからもかえでさんとは引き続きお付き合いしたいと思います。

 

かえでファイナンシャルアドバイザリー株式会社

マネージャー マーケティング担当

上級ウェブ解析士

岡村 新太 Arata Okamura

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